小さな液晶画面にふたりがちゃんと納まったのを確認すると、
ウシオはまた自分の座椅子に戻って行った。
「わりぃな」
「ううん」
ウシオはカメラの裏側を覗きながら、ニタニタと笑い続けている。
「何笑ってんの…?気持ち悪いなー」
「だって」
「何…?」
「あとは、ここに子供がいれば最高なんだけどなーって思ってさ」
「え…?」
“子供”という響きに思わずドキッとした。
「な…、何言ってんの…?急に…」
私が聞くと、
ウシオはカメラをテーブルの隅に置き、ビールを片手にしみじみと語り出した。
「だって、俺なんかもう30じゃん…?三十路を超えるとやっぱ結婚を意識するっていうかさ、早く子供が欲しいなって思っちゃうんだよね…」
「…そうなんだ」

