雑踏の中。
ふたり分の新幹線の切符を手に、改札付近でトモシが来るのを待った。
ドキドキしながら腕時計とにらめっこすること15分…。
トモシはなかなか現われない。
何してるんだろ…。
新幹線来ちゃうじゃん…と思いつつ携帯電話を確認してみる。
…トモシからの着信はない。
新幹線の発車時刻が刻一刻と近づいてくる。
…あせる私の頭に、
ふと嫌な予感が走った。
もしかして、
また火事が起きて急に仕事になっちゃったのかな…?
まさかねとは思うけど、あり得ない話ではない。
私はトモシの携帯に電話をかけることを禁じられていたので、
思い切って彼の勤務先へ電話してみた。

