ILLICIT LOVE〜恋するタイミング〜


旅行当日の朝。


普段なら土日はゆっくり寝ているところだけど、


今朝は早起きしてふたり分のお弁当を作った。


行きの新幹線の中でトモシと食べようと思ったからで、おにぎりを握る手に自然と力が入っていた。






お昼の用意ができると、私は今日明日と劇団の練習を休ませてもらうため、


携帯電話からガンさんにメールを打った。



こういう連絡は本来電話ですべきなのだろうが、彼と話すと長くなりそうだったので、


[風邪っぽいので休みます]


そのひとことだけを送信した。






月曜の授業の準備は、きのうまでに済ませておいた。


今日持っていく荷物も、昨夜のうちにまとめておいた。



バッグの中には避妊具だってしのばせてある。




準備は万全。






部屋の戸締りを確認すると、


私はトモシと約束した時間より早目に駅へ向かった。