相手は教育委員会の人間だ。
ウシオとサキさんの話だなんて、どうせまた良くないことでも言われるに違いないと思ったけど、
ウシオが言ってた“報復人事”の話が頭に浮かんで、
私はしぶしぶサキさんのお父さんと会う約束をした。
いつもは9時10時まで仕事をしている私だけど、定時になればいつ退勤しても問題はない。
本音を言えば明日の授業のことが心配だったけど、家に持ち帰っても準備できそうだったので、
ジャージから通勤着に着替えた私は普段よりずっと早く退勤して、
待ち合わせ場所である学校近くのファミレスへと急いだ。
緊張しながら約束の場所に行くと、
明るく照らされたテーブルの下に、サキさんのお父さんが先に来て待っていた。
「すみません、遅くなりまして…」
そう言いながら腰をかけると、
「いや、こちらこそ急に時間を取ってもらって申し訳ない」
サキさんのお父さんは立ち上がって軽く頭を下げた。

