サキさんのお父さんが完全に立ち去ると、
ウシオがため息をついて言った。
「あの人…、サキの父親なんだ」
「うん…。話を聞いてたらなんとなくわかったよ」
「そっか…」
「うん…。教育委員会とか言ってたけど、なんか偉い人なの…?」
「ああ…。サキの父ちゃん、県教委で主事だか何だかやっててさ、披露宴にも教育長とかそのへんのお偉いさんをいっぱい招待する予定らしいんだ…」
「へー」
「クソ忙しい時期に無理矢理呼ぶみたいだから、今更結婚やめるってことになれば、かなり面目ないってことなんだろうな…」
「…そっか」
それは私にも想像がついた。
「いやー、俺もサキがそんなすごい人の娘だなんて知らなかったんだけどさ…、もしここで結婚やめたら、絶対俺、次はへき地に飛ばされるんだろうなあ…」
「えー?」

