私が立ち尽くしていると、
ウシオが弁解するように口を開いた。
「お父さん…、別に俺、マユコとはそんな心配されるような関係じゃないんです…。同じ劇団の親しい友人というか、その…、全然お父さんに疑われるような仲じゃありませんから…」
ウシオの苦しい発言に、
男は疑わしそうに私の方を見た。
「それは本当かね…?」
「あっ…、はい、本当です…」
ウシオが大きく首を縦に振った。
するとサキさんのお父さんはため息をついて、ウシオの片腕を軽くたたきながら言った。
「それならいいが、くれぐれも娘を悲しませるようなこと、私に恥をかかせるようなことはしないでくれよ」
そう言って向こうへ去って行くサキさんのお父さんに、
ウシオは黙って苦笑いしていた。

