「まだサキと切れてなかったことは謝るよ…。あいつのことはそのうちきっとなんとかするから、機嫌直して一緒に行こう?」
下手に出てきた彼に、私は思わず冷たい態度を取った。
「は…?行くってどこへ?」
「稽古に決まってるじゃん。もうすぐ練習始まるし…」
そんなことを言われても、こんな気持ちじゃ芝居どころじゃない。
「ごめん…。私今日そういう気分じゃなくなったから…」
私はウシオを無視して、再び歩き始めた。
それでもウシオは早足でついて来る。
「マユコ、やっぱ怒ってる…?」
「…は?」
「そんな怒るなよ」
「…別に、怒ってなんかないよ」
私は眉間に皺を寄せながら答えた。
「怒ってないなら稽古に行こう?サキのことはいずれなんとかするからさ…。な…?」
私は足を止め、ウシオをにらみつけた。
「そんなの、どうせ嘘でしょ…?」
「え…?」
ウシオも同じく足を止めた。

