店の外でサキさんと別れた後。
とてもじゃないけど、
このまま芝居の稽古に行って、ウシオと顔を合わす気になんてなれなかった。
私はトモシにだけでなく、ウシオにまで嘘をつかれていたわけで、
ウシオのことも完全に信じてたわけじゃないけど、
こう好きな人の不誠実さを目にすると、やっぱりショックを隠せない。
やっぱり今日は練習休もうかな…。
だって、
こんな気持ちのままウシオとラブシーンなんか演じられるわけないもん…。
そう思いながらとぼとぼ歩いていると、
「マユコ…!」
後ろからウシオの声がした。
「えっ…」
立ち止まってふり返ると、
ウシオがこっちに向かって走ってくる。
「ウシオ…?どうして…?」
目の前に現われた彼にたずねると、
ウシオは私の目の前で足を止め言った。
「さっきサキに電話したら、この近くでお前と別れたって聞いたから、迎えに来たんだ」
「え…?」

