「いえ…、あの…、その…、ウシオからサキさんと大ゲンカして、やっぱり結婚しようかどうか迷ってるーみたいなことを聞かされてたもんで…」
口が適当にそう言ったけど、私は自分で自分の首を絞めただけだった。
「嫌だ…。ウシオ、マユコさんにそんなこと言ったんですか…?」
サキさんはくすっと笑った。
「そんなこと全然ないのに」
え…?
「それじゃあ結婚は…」
「しますよ。予定通り」
サキさんは目を細めて微笑んだ。
「…そうですか」
やっぱりウシオとサキさんは別れてなかったんだと知らされた瞬間、
目の前が真っ暗になりかけたけど、
驚き悲しむ暇もないまま、
バッグの中の携帯電話がブルブル震える音がして、私は席を立つことになった。

