目の奥で涙が作られていくのがわかる。
私は彼を見上げて言った。
「私…、これ以上ウシオと一緒にいたら、また自分が苦しいだけだもん…」
「え…?」
相変わらず鈍感なウシオを責めるように私は続けた。
「だってウシオ、来年サキさんと結婚しちゃうんでしょ…?だったら私、これ以上ウシオと一緒にいられないよ…。一緒にいたら、絶対ウシオのこともっと好きになっちゃうもん…。そんなのこっちがつらいだけだし…」
「マユコ…」
「私、もうトモシと付き合ってたときみたいなつらい思いはしたくないの…。だから…」
私が正直に言うと、
ウシオはまた黙りこくってしまった。
私は彼の手を振り払うと、これで最後だと笑ってみた。
「ごめんね…。私がさっき告ったことは、全部忘れてくれていいからね…」
「……」
ウシオは下を向いたまま何も言わなかった。

