帰ろう…。
きっと私は、こんなふうにウシオのこと好きでいちゃいけないんだよ…。
ウシオのこと想い続けて、最後に苦しむのはきっと私だもん…。
だったらまだ友達に戻れるうちに戻らなきゃ…。
…ドアノブに手をかけようとしたとき。
「マユコ…!」
こっそり帰ろうとした私に気づいたのか、
ウシオが急いでやって来て、背後から私の右腕をつかんで言った。
「何してるんだよ?」
「何してるって…、見ればわかるでしょ…?帰ろうと思っただけだよ…」
後ろを振り返ることもせずそう答えると、
「なんでだよ?」
彼は私の体を自分の方に回転させた。
「まだ何もしてないだろ?」
ウシオが私の顔を覗き込む。

