「ウシオ…?」 思わず彼の名前を呼ぶと、 「なんでだよ…」 ウシオは赤い目をしたまま立ち上がり、静かに私を抱きしめた。 「なんで今頃そんなこと言うんだよ…?」 「え…っ」 またしても彼の不可解な行動に言葉を失っていると、 「俺、どうしていいかわからなくなるじゃん…」 ウシオはそう言って私にキスをした。 彼の舌が私のそれにからむと、 涙とアルコールが混じったような、苦くてしょっぱい味がした。