悲しいという気持ちを通り越して、なんとも惨めな気分になった。
それを吹き飛ばすためには、もう笑うしかなかった。
「なんだ…、そんなふうに言うんだったら最初っからこんなとこに連れてきたりしないでよね…。私、勘違いしちゃったじゃん…」
作り笑いをしつつティッシュをつかむと、私はこぼれた涙をそれで拭った。
「友達って思ってるんなら、簡単に抱いてやるとか言わないでよ…。セフレじゃあるまいし…」
ウシオの方に目をやると、
彼は向こうを向いたまま、未だに沈黙を通していた。
「ごめん…、なんか悪かったね…。やっぱり今日は帰ろう…?」
ウシオに近づき彼の顔を覗き込むと、
彼も涙をこぼしていた。

