数分後。
彼の口から返ってきたのは、予想外の言葉だった。
「ごめん…。マユコの気持ちを知った以上、俺…、もうお前とは付き合えないや…」
え…?
「さっき頼んだ2次会幹事の話もやっぱいいや…。誰か他の人に頼むし…」
は…?
ウシオの突然の言葉に、私の涙は一瞬止まってしまった。
「何…?なんでまたそんなこと言うわけ…?」
私が問いかけると、彼の背中はこう言った。
「だってさ…、俺、もうサキと婚約しちゃったんだぜ…?今更そんなこと言われても遅いっつーか、友達にそういうこと言われても困るだけっつーか…」
「…え」
ウシオの口から出てきた“友達”という言葉が、また私の心を踏みつぶした。
何…、
また“友達”…?

