ごろんと寝返りを打つと、頭の中にまたサキさんの笑顔が浮かんだ。
…こんな機会、もうないと思うけど、
やっぱり、
彼女がいる人に抱いてもらうとかってダメだよね…?
そんなことを考えていたら、
「マユコも入ってくれば?」
備え付けのウェアに着替えたウシオが戻って来たので、私は思わず飛び起きた。
バスタオルで髪の毛を拭いているウシオに、私はとっさに言った。
「あのさ…、やっぱいいよ…」
「え?」
「…ウシオ、私のこと抱いてくれるとか言ってたけど、どうせ酔った勢いとかで言ったんでしょ…?だったらホントいいから…」
私は笑ってみせたのに、
ウシオは急に不機嫌そうな顔をして言った。
「なんだよ…、マユコは俺が酔っ払ってそんなこと言ったとでも思ってるわけ…?」
ウシオははーっとため息をつき、ベッドの端に腰を掛けた。
「俺はただマユコのこと、少しでも慰めてやりたいって思っただけだよ…。嫌なら別にいいけどさ」

