「サキの気持ち…?」
「うん…。私がもしウシオの彼女だったら、あんたにこんなことされたら絶対許せないと思う」
私は真面目に言ったつもりなのに、
私の言葉にウシオはいきなり笑い出した。
「ああ…、そんなことなら大丈夫。サキは人間できてるから、こんなことくらいで怒んないよ」
…は?
「第一、あいつにはマユコのことよく言ってあるしさ…。お前も変な心配しなくていいから」
…ホント、
こいつも女心がわからない男だなと思いつつ「そうなんだ」と返すと、
ウシオはベッドに横になりながら言った。
「けどさ…、マユコがそんなふうにサキのこと気にしてくれるなんて意外だな」
「え…、なんで…?」
「だってマユコ、妻帯者と不倫してたわけじゃん…?そんときもやっぱ奥さんの気持ちとか考えてたわけ…?」
「えっ…」
…恥ずかしいけど、
私はトモシの奥さんの気持ちなど考えたこともなく、
今更だけど、自分のことしか考えてなかった罪を反省しなければと思った。

