重い足取りでアパートに戻ると、
青白い蛍光灯の下で、トモシがドアの前に座り込んでいた。
「トモシ…」
彼とはしばらく連絡を取っていなかったし、会うのも実に久しぶりだった。
「よお…。意外と早かったじゃん」
彼は私を見るなり立ち上がって言った。
「どうしたの…?こんな時間に…」
父親はこれから子供をお風呂に入れて寝かしつける時間じゃないのと思いながらそう言うと、
トモシは私に大きな花束を差し出した。
「マユコ、きのう今日と劇団の公演だったんだろ…?」
「あ…、う…ん」
「ちょっと遅くなったけど、これ、どうぞ」
それはウシオの彼女が持って来てくれたのと同じくらい豪華な花束で、
私は言葉を失った。

