彼女がくれた花束は、ほんのチョイ役しか演じなかった私には釣り合わないくらい大きなもので、
紙袋に入っていたのも高級洋菓子店の立派な菓子折りで、
これらを素直にもらうことがなんとなくためらわれた。
第一彼女はウシオの恋人なわけで、
ライバルにこんなものをもらっても、
気味が悪いだけで嬉しくもなんともないわけで…。
ホントにもらっていいものか、ウシオに少し相談してみようか…?
なんなら彼から彼女に返してもらってもいいし…。
そんなふうに思っていたら、
客出し後、一旦楽屋へ戻ろうとしたときに、私は楽屋の前でウシオと鉢合わせた。

