それからというもの、
私とウシオはふたりで飲みに行くことがなくなった。
私は彼に遠慮して自分から誘うのを避けていたし、
ウシオも彼女との付き合いで忙しいのか、芝居の稽古の後でさえ、私に声をかけてくれることがなくなった。
それはそれでさみしくて、心に穴が開いたような気持ちになったけど、
仕事や芝居で忙しい日々が、そんな気持ちも紛らわせてくれていた。
芝居の稽古に行く度に、
ウシオが彼女のことでからかわれる姿や、
彼が彼女について楽しそうに語る姿を目にすると、
やっぱりいたたまれなかったけど…。
そんな中、
やがて迎えた劇団の公演楽日に、
私は再び地獄に突き落とされてしまうのだった…。

