「いってきます」 「いってらっしゃい。」 今日も彼女は朝早く起きて出ていく。 この言葉だけは今日も交わせたが、他はたいして変わらない。 何より彼女の外出がこうも毎日だと、気になる。 パタンと閉まったドアをぼうっと眺めながら 僕は少し淋しい気持ちが溢れ出さないよう、感情に蓋をする。 昔から、我慢は出来る方だ。