------コンッ コンッ 人が通るためのトンネルを歩いて帰る すると後ろから声がした 「待って下さい。」 一瞬、さっき財布をすったヤツかと思い焦ったが 俺より1、2歳年下であろう女の子だった 「財布!忘れていきましたよ」 彼女が手に持っていたのは俺が置いていった財布だった 「…。」 「あれ?違いました?」 「ありがとう。…わざわざ追い掛けて来てくれたの?」 「はい。」 「でも、それ俺のじゃないんだ」 「だけど、置いていかれましたよね?」