「ん?」


 そんなやりとりをしていると、遠くのほうで、聞き覚えのある女の声が聞こえた。


「アイスブランド。どうかしました?」


 そして、立て続けに聞こえる、側近らしき男の声。


 ・・・・・・アイスブランド・・・だと?


「いや、見間違えたみたいですね。あの人がここにいるわけがないと思います。でも・・・」


 声のしたほうこうに顔を向ける。


 そこにいたのは、長髪の、女。


 背は高く、痩せ型。


 大きな目と高い鼻。そして、北国特有の透き通るような白い肌が特徴の、白いロングドレスに身を包んだ、女性。


 ・・・・・・・アイスブランド家長女。ララその人だった。


「・・・なぜ、あいつがここに?」


 グストの腕に力が入る。


「グスト?どうした、グスト?」


 アイスブランド家。


 医療ミスにより、グストの村を一大感染に追い込み、グストの家族を殺した、グストの敵。


 あいつは、その長女。


 当然、復讐に値する人物だ。