さて、殺人をおかし、銃を奪った以上は、正規ルートで帰るわけには行かない。


 グストは、開拓されていない山を越えることに決めた。


 ドワーフが住むといわれる、死霊の山だ。


 弾丸は無駄に出来ない。


 それ以外にもいくつかの武器はあるものの、戦闘慣れしていない、グストが無事に帰れるかどうかは、一種の賭けだった。


 ドワーフ。


 全身を黒い毛で覆われており、地中の中を住処とする、別名『地下の民』


 ドーラ地域の西のほうに生息しており、小枝のように高い鼻と、地中に暮らしているため、小石のような小さな目が特徴。


 頭脳はたかく、人間と同じ言葉を話し、身長は成人でも、人間の子供と変わらない程度。


 ただ、それでも人間がドワーフを驚異に思うのは、その腕力にある。


 彼らの腕は、極端に進化しており、人間の何十倍もの力を持っている。


 大きな岩も彼らにかかれば、片手で放り投げることが出来るだろう。


 ただ、その分、足が短いというせいか、鈍足なのが欠点。


 いざとなれば、何とか逃げることも出来るか・・・。