「大丈夫なの?」


 ララが聞いてくるが・・・


「食べ物に対する嗅覚とセンスは、そこらへんの大人に勝るよ。」


 ケンカ早い性格、狩猟に対する嗅覚。


 予想の域は超えない・・・だけど、あいつはおそらく、ファイアルの民なのだろう。


 だとしたら、アイスラの地に連れて行くのは酷なのかもしれない。


 むろん、最終的にそれはリン自身が決めることなのだが。


「あっそ・・・まぁ、私は特に反対する理由はないから、休ませるのには賛成だけどね。どうするの?この子?見たところ、かなり衰弱もしているわよ。」


 分かってる。とりあえず、助けるのが先だ。


 見たところ、ただの衰弱だし、水と食べ物があれば、直に回復するだろう。


「どうするも、ここで休ませるしかないだろう?」


 それ以外の選択肢はないと思うのだが?


「そう来ると思いました。とりあえず、テントを張るわ。」


 言うと、荷物を解き始めるララ。


 その当たり、素早い対応が出来るだけでもありがたい。


「それにしても・・・本当に、合流するとはな・・・。」


 予想はしていたが、確証があったわけではない。


 ギル君がそのまま処刑される可能性は、最後まで残っていた。


 だけど、彼は実際に生き延び、逃げ出し、自分たちと合流した。


 ・・・・・・運命か・・・。


「先に進むは、滅びか・・・修羅か・・・」


 出来れば栄光であってほしいと、グストは心から祈った。