「そっか、弱いのか?」


「あぁ、ドワーフ一人分の力にもかなわないぐらいにな。」


「まぁ、私のパパとママはメチャクチャ強いからな。でも、その程度なら余裕だな。」


「そうだな。」


 そう、汚竜が現れたのは、ドーラ。


 あそこには、死霊の山と呼ばれる、リンの『本当の家族』が住んでいるドワーフたちの山だってある。


 強いなんて説明したら、リンが心配する。


 だから、汚竜は弱くて、すぐに退治されました。・・・と言っておかなければ、ならない。


 汚竜よ・・・どんな思いでドーラの地にいるのかは分からない・・・だけど、死霊の山にだけは入るなよ。


 届かないと思いながらも、グストは遠くのドーラの地を見て、思った。