「入って…」 琥宇桜の後に続いて一歩踏み出す。 カタンッと松葉杖を置いてベッドに腰掛ける琥宇桜。 「何してんの?こっちに来て」 ドアの辺りでボーと立っている私に手招きして呼ぶ。 ゆっくり、ゆっくり琥宇桜に近づく。 そしてぎゅっと握られた手。 優しくて大きな琥宇桜の手。 あったかい… ポタッと私の涙が琥宇桜の手に落ちる。 ・