CE-LI-NE

ズドド
ズドド
ズドド
ズドドドドドドン!!

耳に慣れたその音、そして緩やかな弧を描く烈火に、セリーヌは真っ向から受けて立つ。

その、直撃寸前で、深く身を屈めた。

「っ」

頭上を二条が過ぎ去り、後続の二条が足元を狙ってくる。

硬いブーツで、レンガを踏んだ。屈伸からの高い跳躍。

「はっ!!」

刹那、眼下を突き抜ける二条の行く先を斬り払う。

起こるのは方向性を失った炎の霧散、無意味な炸裂。

着地は、少女へ背を向けた形になる。が、振り返る動作を逆に利用し、一気に踏み込んだ。

腕は勢いに任せ、白い燕たる女大佐は距離を縮める。

「っっ、セリーヌっ……!!」

たじろぐ少女が一歩後退した。

その右手が、

「あたしをっ、あたしの神様の邪魔を、しないでください……!!」

腰の袋に突っ込まれた。

なにかを掴み出し、空中へ投げ出す。

勢いのままに拡散する、黒い、粒子――

(砂……?)

という程度の予測が、凶だった。