ズドドドドドドン!!

赤い狂気は朗々の声に押し出され、鎖となってセリーヌへ直進する。

フーガハーフのくせに芸のない一撃を、セリーヌは剣で対抗。

自分の前の空間をでたらめに数回薙ぎ、大きく一歩後退する。

少女の魔法は、気体の道しるべが線路となって初めて標的へ着弾する。

これを壊せば、連鎖はそこまでになる。

思惑の通り、迫っていた爆発はセリーヌが剣を振った空間で炸裂、方向性を失い四散した。

セリーヌは大きく横へ手を振る。

その場にいる兵士らがみな、団長である隊長の〝霜刃〟に傾注した。

「全体、魔法が周囲に及ぶのを防げ!! 臆せず炎の行き先を捌けばよい! いいか、家一件破壊させるな! 私は少女本人の捕縛を優先する! 援護は不要、今言ったことに専念せよ! 総員、抜剣!!」

「「「おおおおっ!!」」」

数十人は下らないセリーヌ隊兵士と『ガーディアン』が、一斉にサーベルを抜く。

セリーヌと少女を囲み、円陣が形成された。