ごろろ、ごろろ、と喉を鳴らしながらセリーヌに首を擦り付けるジョセフィーヌを見て、ルイスは笑う。

「あーはっははっ、セっっリィは本~当に人気者だなぁ。ジョセフィーヌも求愛してるよーう?」

「猫に求愛されても嬉しくはない」

邪魔なジョセフィーヌ(♂)、そしてネズミの死体を一蹴りして払う。

が、ジョセフィーヌはそれをかわし、ひょいとデスクの上、主人の足のそばへ。

つかつかとデスクに歩み寄ったセリーヌは、とりあえず、降魔師の眉間に人差し指を押し付ける。

詰問の調。

「ルイス、まずはそこから退け。そして部屋を片付けろ。用件があるのなら、そのあとに聞こう。さあ足を下ろせ!!」

訓練中に鍛えられた声が、ゥワン! と一瞬壁に反響し、とぼけ面の降魔師もさすがに目を見開いた。

「はーいはい~、下っりますともさ~、片付けますともさ~」

すごすごとデスクから足を下ろし、部屋の片付けを始めるルイスに代わり、セリーヌはようやく椅子に座る。

まったく、とさすがにぼやきが出た。