CE-LI-NE

「そう眉間にシワを寄せなさんなって。十年後にゃ取れなくなるぞ?」

と余計なお世話なことを前置いて、真面目な顔をする。

「さっきの嬢ちゃんだがな、ありゃあ奴隷だな、間違いねぇ」

「なぜわかる」

「さっき自爆しただろう。服もズタズタ。あん時に見えたんだよ。嬢ちゃんの体に、数字が焼き印されていた。ありゃあ奴隷買収の時に用いる商品番号だぜ」

さすがに、貴族である。今は廃止されているとはいえ、奴隷を必要としている闇の存在はまだいる。

無論、それに応える違法者もいる。

ラグストールがそれに関与しているかは知れない。

が、黒い噂がまったくないわけではないラグストール。それくらいの情報を知っていても、おかしくはなかった。

「その奴隷が、なぜ魔法を使う? なぜ使える?」

セリーヌの問いに、貴族は素で肩を上下させた。

「さあ、知らん。が、何者かがあの嬢ちゃんに魔法を与えた、なにかの目的でな」

「何者か……神様、か」

その神様が何者か、そしてなんの目的があるのか。

それを突き止めなければならない。