「やぁぁぁぁあ――!!」

径が、

「あたしの上から――」

縮まる。

「どおぉぉぉぉぉぉぉけぇぇぇぇぇえええ――!!」

炸裂音と火花、狂気と紅蓮がにじり寄る。

少女の声は、セリーヌに当てつけているようで、どこか違う。

開いた瞳孔は、仰け反りすぎたせいで明後日を見ている。

半ではない、もはや狂乱。

「お、のれぇ……っ!」

セリーヌは、少女の上から退いた。

剣に向かって走り出す。

すでに集束するチェーンの径外にある剣を拾うため、自分の腰くらいの高さを迫ってくるそれを、跳躍でかわす。

と、着地して、気付いた。

炎の鎖が、方向転換しない。

変わらず緩やかな弧を描き、横たわる少女の上へ集ってゆく。

「っ、お前……っ!!」

セリーヌの予想した事態は、あまりにも当然、花開いた。

一点集中した炎同士が衝突し、濃縮された気体が百とも二百とも花びらを散らす。

爆炎と粉塵、砕かれるレンガと叩かれる空間に、

「ぃあ゛ぁあぁぁぁ゛あ゛ぁぁあ゛ぁ――!!」

少女の悲鳴が、反響した。