「ひっ!?」

回転する剣に気流を乱され、爆炎の鎖は衝突点でバラバラに拡散してしまう。

不出来な花火が、セリーヌと少女の狭間で炸裂する。さながら紅蓮の滝。

それを割って、回転する剣が迫る。

「!!」

とっさに身を屈めた頭上を、剣は通過した――

が、

「そこ!!」

「!?」

火花と煙の残滓を突き抜けたセリーヌが、

「捉えた!!」

「いっ!?」

少女の首を、

「っ、ぁ――ぐっ!?」

掴んだ。

勢いのまま、路面へ押し倒す。

少女が叩きつけられる、ドンと鈍い音とほぼ同時に、彼方で剣が落ちた。

滑り転がっていく剣の音が止む頃には、二人の息遣いだけが荒く残る。

少女の腹に膝を立て、その口を片手で塞ぐ。頬骨を圧する。

セリーヌは片手で、腰に残っている鞘を抜いた。

石突を、少女の眼前に向ける。

そして言った――