CE-LI-NE

「神様の御心に従い、セリーヌ・ウォン・ドストロフを捧げます!!」

朗々の声は気迫となり、火の玉を押し出す。

ズドド
ズドド
ズドド
ズドドドドン!!

と、ほとばしるのは四本の火炎。いや爆炎。

多頭竜の如くうねるそれを、セリーヌはギリギリのところへ横へ飛び、回避する。

ひとつ目、ふたつ目と連続で。

少女は先に照準を合わせているのだから、着弾直前で回避しなければ、軌道修正されてしまう。

避けるのならば瞬間を見極め、攻めるのならば動き続けなければならない。

そしてセリーヌは無論、攻めを取る。

腕はぶら下げるように、そして疾走の勢いに任せて、後ろへ流す。

はたからはまるで、軍服の色もあって白い燕のような突進体勢。

前方、クワガタの角が閉まるように肉薄する二本の炎を――

セリーヌは、跳躍してかわした。

腕を地につかない、空中側転。

体の捻りと足の振り、疾走の勢いと持ち前の体術を活かした、アクロバットである。