CE-LI-NE

少女の声は日中に逢った時と変わらず、なにかに陶酔したように高い。

「神様、あたしの神様、見ていてくださいますか。ああっ……あたしは使命を果たします。セリーヌをアナタにお捧げいたします」

ひゅううううう……

「神様神様と……小うるさい」

さすがにフーガの血筋だろう。芸能豊かなあの人種らしく、少女の声は本当に響く。もはや歌だ。

ひゅううううう……

抜き損ねていた剣を、今、構える。

そして問うた。

緊張する。

ひゅううううう……

なぜなら今も、風のおとが聞こえるからだ。

「お前を捕縛する前に聞いておこうか。神様とはだれだ。お前の飼い主か。そして、なぜ例の少年をさらった。なぜ建物を破壊する。答えろ」

「神様、あたしの神様、お聞きください、かのセリーヌは愚かにも、アナタの崇高なお考えをあたしから掠め取るつもりです。――はい、もちろん承知しております」

その傍らに、火の玉が浮かぶ。

その数は、一つ、二つ、三つ、四つ!!