CE-LI-NE

生粋では、ない……?

「つまり、ハーフか」

「そン通り。ファイアル人たぁ、炎魔法の威力のでかさに一度は苦労するもんだ。そんだけ、炎魔法は強力でな。ンなちまちましたやり方せんでも、充分に敵をやれる。それをしねぇのは、単になぶってんのか、そこまでの火力を出せねぇハーフってわけよ」

「なるほど。そうか」

あの少女はたしかに自分を始末しようとしていた。

ならば、あんな命中させて初めて意味のあるやり方ではなく、高出力で一気に押し潰すべきである。

それをしなかったのは、最初から、少女にそれだけの火力がなかったから。

「となっと、あとぁいってーどことのハーフかって問題だな。よう〝霜刃〟のセリーヌ大佐よ、そこの見当はついてんのか?」

「……一応はな」

少女はハーフだと、ほぼ確定した。

ハーフは、二つの民族の魔法を身に宿すことができる。

が、それは同時に民族の血を薄め合う結果を招き、魔法そのものも薄れてしまう。

それぞれの民族が出生地域に根付き、そこで一生を終えるのは、民の血が薄れ、魔法を失わないための事前策でもある。