CE-LI-NE

ラグストールは、眉間にシワを寄せた。

「んなこと言われてもな……炎ってこた、ファイアル人だろよ、その少女は」

「そう見ている」

「だったらわけがわかんねぇな。なんでそいつ、そんなまどろっこしい炎の使い方すんだ?」

「知らん。だから貴殿に訊ねている」

「うーむ、そりゃそうだ」

唸るラグストールはまた、灰を灰皿に落とした。

「考えられる可能性としちゃ、そいつがハナッから炎を放出できねぇってことかもしれんな」

「どういう意味だ」

   、、、、、、、、
「ふ、噛み砕いて言おう。ライストのお嬢ちゃんにもわかるようになぁ?」

明らかにさっきのセリーヌを真似たラグストールの口元が、笑む。

「俺達ゃ、まあ結構大雑把な性格しとると自覚がある。だからまどろっこしいこたできねぇ。魔物を仕留めんなら首を跳ねる。金を稼ぐなら一攫千金を狙う。魔法を打つなら、ドデカイのをドォンだ。この性根は、ファイアルの連中にゃみんな染みついちまってる。もし、そうじゃねぇなら、そいつぁ生粋のファイアル民族じゃねぇってこったな」