床一面に散らばっている書類の数々、なぜか倒れて土をぶちまけている植木鉢や黒い水溜まりを作っているインク瓶、そして今、ひら、ひら、ひら……と、セリーヌの足元に落ちた軍学校時代の写真。
笑いたくなるほど天晴れに荒らされている室内、自分のデスクに、彼がいた。
「待ぁぁぁっていたよん。おっそいんだよなぁ、セリィは~」
自分と同じように長い髪は、しかし緩くウェーブがかかった、くすんだ金色。
「僕さーあ、あんまり暇なもんだから、ほぉ~ぅら、見っってごらん? つーいつい部屋中を荒らしてしまったよ」
眠たげに、しかしいたずら小僧のように細められている瞳は黒。
わざと二回りも三回りも大きいぶかぶかの白ローブを着て、あまり過ぎた袖を揺らす青年は、こう見えて大人物。
「……お前は『つい』で人の部屋を荒らすのか、ルイス……降魔師のくせに、なんたる非常識か」
そもそもなにが「見てごらん」で、なにが「つい」なのだろうか。
室内の惨状が外にばれないうちにドアを閉め、鍵をかけた。実は今日が初めてではないので、セリーヌも落ち着いたものである。
笑いたくなるほど天晴れに荒らされている室内、自分のデスクに、彼がいた。
「待ぁぁぁっていたよん。おっそいんだよなぁ、セリィは~」
自分と同じように長い髪は、しかし緩くウェーブがかかった、くすんだ金色。
「僕さーあ、あんまり暇なもんだから、ほぉ~ぅら、見っってごらん? つーいつい部屋中を荒らしてしまったよ」
眠たげに、しかしいたずら小僧のように細められている瞳は黒。
わざと二回りも三回りも大きいぶかぶかの白ローブを着て、あまり過ぎた袖を揺らす青年は、こう見えて大人物。
「……お前は『つい』で人の部屋を荒らすのか、ルイス……降魔師のくせに、なんたる非常識か」
そもそもなにが「見てごらん」で、なにが「つい」なのだろうか。
室内の惨状が外にばれないうちにドアを閉め、鍵をかけた。実は今日が初めてではないので、セリーヌも落ち着いたものである。

