ロビーのソファーに腰かけた二人は、周囲など気にせず話を始める。
むしろ、こういった開けた場所での会話のほうが、周囲に余計な勘繰りを入れられないだろうという思惑もあった。
セリーヌは言う。
「まず話を円滑に進めるために話しておくが、貴殿の息子、ギル・ラグストールは生きている」
「なっ、ほ、ほんとかおい!?」
「本当だ」
やはり、それが一番の気がかりだったのだろう。
劇場、そして孤児院を焼き払い、爆破したギル少年は、国の司法官が死刑と処断した。
が、ギル少年は死刑の執行される直前に脱走した。今は、ジンを介してセリーヌの命が下った『ガーディアン』の三人が追跡に向かっている。
また、ギル少年の焼き払った建物の地下で暗黒集会が行われていたこと、そしてギル少年を担当した司法官が暗黒集会の一員であったことなどから、ギル少年の身柄の保障も説明した。
それで、ラグストールの剣呑な雰囲気が、だいぶ和らぐ。
無理もない。情状酌量や年齢如何をほぼ度外視して、あっという間に息子へ死刑判決が下されたのだ。
子を心配する親の気持ちはわからないが、わからないだけに計り知れない。
むしろ、こういった開けた場所での会話のほうが、周囲に余計な勘繰りを入れられないだろうという思惑もあった。
セリーヌは言う。
「まず話を円滑に進めるために話しておくが、貴殿の息子、ギル・ラグストールは生きている」
「なっ、ほ、ほんとかおい!?」
「本当だ」
やはり、それが一番の気がかりだったのだろう。
劇場、そして孤児院を焼き払い、爆破したギル少年は、国の司法官が死刑と処断した。
が、ギル少年は死刑の執行される直前に脱走した。今は、ジンを介してセリーヌの命が下った『ガーディアン』の三人が追跡に向かっている。
また、ギル少年の焼き払った建物の地下で暗黒集会が行われていたこと、そしてギル少年を担当した司法官が暗黒集会の一員であったことなどから、ギル少年の身柄の保障も説明した。
それで、ラグストールの剣呑な雰囲気が、だいぶ和らぐ。
無理もない。情状酌量や年齢如何をほぼ度外視して、あっという間に息子へ死刑判決が下されたのだ。
子を心配する親の気持ちはわからないが、わからないだけに計り知れない。

