CE-LI-NE

セリーヌも彼へ歩み寄り、互いに、手の届かないところで止まった。

なぜか。

互いが、戦士に属するゆえである。

自然とその距離は、自分が手を出せず、かつ相手からも出されない距離である。

二人の側近を従えるラグストールは、目をギラギラさせながらポケットに手を入れた。

「ライストの大佐殿が、このラグストールになんの用だかな? ギルの釈放の話でも持ってきてくれたのか?」

ああ、そうだ、そういえば『ギル』だ、と、脱走した少年の名前を思い出す。

セリーヌは、自分がライスト人であること、女であることで見下されないために、はっきりと言った。

「それも含め、ラグストール、お前に用がある。話に付き合ってもらおう」

上から目線で。

「ほ……言うじゃねぇか。肝の座った女だ……このラグストールを前に軍人風情が生意気な口を聞く」

「私がただの国の犬だと思うのならば、私を侮っている証拠だな。その目は、金勘定しかできんか? 貴殿も貴族ならば、話をする能ぐらいあるだろう」

「ほっおう、言うねぇ。いいだろう、付き合ってやる」

挑発すれば乗る――いや、受けずにはいられない民族、それがファイアル。

セリーヌはしめたとばかりに心中で拳を握った。