CE-LI-NE

「ジン!」

とセリーヌは奥へ呼びかけた。

「私はまた少し出る。お前は残るか?」

「ああ、まだ調べ足りん」

という声だけの応答。少し、空気が煙っている。またあのタバコというのをくわえているのかもしれない。

「そうか。ならば残ってもいい。が、鍵はかけていくぞ。お前は私が戻るまで出られなくなる。構わんな?」

「あー、まったく」

生返事ではあるが、理解はしているらしい。

ジンの集中力も、ルイスに負けず劣らず変人の域だった。

「夜には戻ろう」

言って、セリーヌは資料室を出た。ルイスも外へ出し、本当に鍵をかける。

ガチャンという堅い音が、ドアの中で響いた。

ルイスが首を傾げてくる。

「セリィ、君はジンを信用しているのかい? してないのかい?」

「信用している、という気持ちが強い」

「なーぁらどうして鍵を?」

「信用しているからこそ、だ」

そしてセリーヌは歩を進める。

向かうは城下。

用のある人物は恐らく――いやどうせ、超のつくような高級ホテルにいるだろうから。