CE-LI-NE

少女が正体不明なら、その魔法も正体不明である。

いや、炎の精霊に起因することはわかる。が、やはりあの魔法の発現の仕方が気にかかる。

少女はあの近辺を爆発で崩壊させた。

焼き払ったのでも、爆発そのもので吹き飛ばしたのでもない。

小さな爆発をチェーンのように繋ぎ、それで柱や梁、要所を砕くように家々を破壊したのである。

この世界には、六つの魔法が存在する。

東のドーラは土人形・ゴーレムを生み、西のフーガは風を操る。

北のアイスラは水から派生する療法、そして南のファイアルは、すべてを灰と化さん烈火を放つ。

残る二つはライストの降魔師が使う降魔の術と、今はファイアルの民へ吸収され、眠りについた除魔の術である。

除魔の力は光と対になる闇の精霊に起因していたが……十五年前の一件で、その使用権と宿主がファイアルへ移行してしまった。

が、除魔の力はもともとライストの民に宿っていた。

ファイアル人にそれを覚醒させる才はない。

自然と今、この世界には除魔という魔法はないも同義だった。