CE-LI-NE

恐らくでしかないが、ジンに諜報活動をさせたなら、かなりの成果が上がるだろう。

ただこれは、悪い意味にも繋がってしまう。

本当にジンがどこかの諜報員なら、今、ライスト国軍の資料が一気に見られているのだ。

だが、セリーヌはその可能性を『軍人』として考慮しつつも、『人間』として絶対にないと踏んでいた。

直感でしかないが、次々と本棚の住人を泣かせていくジンには、必死さがあった。

それは、情報を盗む者の必死さではなく、どうしようもなく求めるたったひとつの小さな手がかりを、無理にでも探し出そうとしている必死さだった。

迷子の子供が、目に涙を溜めながら親の姿を探すのに近い。

ジンがどうしようもなく求める情報――それは、彼女本来の世界へ帰る方法に、違いないだろう。

ただだからといって、

「おお?」

ガバババババダン!

「あー、セリーヌ~」

「……気にするな」

本を散乱させるのは、褒められたことではないが。

陳列している本棚から見るも無惨に散らばり、重なり、山と波となって床を覆っている本を見たら、日頃この資料室の整理に愛を注いでいる司書官は発狂するに違いない。