風の音は炎の予兆。

少女の傍らに火種が浮かべば、またあの爆砕連鎖が炸裂する。

「ルイスっ!!」

とっさに、セリーヌは幼馴染みの腕を掴んでいた。

彼を守るため。

が、それとほぼ同時に、

「セリィ!!」

「!?」

ルイスが、セリーヌを抱き包んだ。

ズドドドドドドン!!

と直後に、一帯を飲み込む轟音の旋律。螺旋ばかりではなく、幾何学多角的に折れ曲がり、ねじくれて走る火線の軍勢。

「神様がおっしゃられました!! 神様がっ、あたしの神様が……!!」

朗々響く少女の声を聞きながら、瓦礫の雨が吹き荒ぶ様に、セリーヌはまた強く歯噛みした。