CE-LI-NE

「次は、外しません」

少女の呟きに応じて再び浮かんだ火の粉が、すぐに爆発した。

林檎が破裂したような残光は、すぐに次へ次へ続く。

灼熱連鎖が螺旋を描き、壁際で尻餅をついているセリーヌへ肉薄した。

「ちっ」

転がるように横へ跳び、セリーヌはこれを回避する。

壁に激突した炎は、また細かく連続で炸裂した。

壁の木片や石が、吹雪か嵐のように室内へ吹き散らされる。

セリーヌは濛々と立ち込めた粉塵の中で舌打ちをした。立ち上がる。

「逃がしません」

が、それを気取られた。

壁にミシンを当てるように、燻っていた炎がまた追尾してくる。

セリーヌは駆け出した。

ゴドドドドドド、と背後を追ってくる炎から逃げる。

少女への反撃すらできないまま、閉められた窓を全力の体当たりで突き破った。

ズガガガガガガン!!

「っぅぐ!?」

直後、窓枠、壁に着弾した炎が、凄絶に破裂した。

爆風に体が吹き飛ばされたセリーヌは、向かいの家の壁にぶつかり、路面への着地も無様だった。

「セリーヌっ!!」

爆発は、外からでも聞こえているし、見えているだろう。

血相を変えたルイスが駆け寄ってきた。