CE-LI-NE

「すべては神様のお言葉のままに!!」

少女の叫びに押し出され、小さな火種が膨張した。

ただの爆発ではない。

少女からセリーヌへ、螺旋を描きながら突き進んでくる、紅蓮の刺突。

ドドドドドドン、

と、爆発が爆発と連結し、鎖の鞭が如くほとばしる。

、、、、、、、、、、、、、
爆発が螺旋で突き進んでくる。

「くっ!?」

こんな炎の動きは見たことがない。

ファイアルの炎魔法はそもそも、直線に押し進むか、同心円状に膨らむか……あるいは特殊な例では十五年前の英雄アキラが振るった炎の剣のように、なにかの形状に凝縮するか。

小さな爆発が連鎖して鞭のように迫るなど、聞いたことがない。

斬り込もうにも相手は炎、そこに実体はない。

実体がない炎を剣で断つことも払うことも、セリーヌとて不可能である。

さらに言えば、この至近距離、迫り来る螺旋業火を回避することも。

「っ、な!?」

と、碧眼いっぱいに紅蓮の色を映していたセリーヌを、真横からなにかが突き飛ばした。

黒い、四つ足の獣。

黒猫――ジョセフィーヌ。