CE-LI-NE

「ふふっひひっははっ、そりゃあボッックとキッッミの仲だ・か・らっ♪ んーで?」

と、ルイスの首とジョセフィーヌの目が同時にセリーヌへ向く。シンクロ。

「君が迎えに……っていうか保護しに行かなきゃいけない少年って、ぬぁにむぉのぅ?」

にゃににゃにょぉ?

……今一瞬、ジョセフィーヌが人語のようなものを発した気がする。

セリーヌはこめかみを揉んだ。答える。

「詳しくは私も知らん。が、軍上層から直接の指令だ。ただの少年ではないだろう」

「うーん、貴ッッ族かなぁ?」

「一番可能性は高いな。あるいはまったく逆として、犯罪者かもしれんな」

「ハぁーンザイシャを保ぉぅ護するのかぁいっ?」

「ふむ、妙な話だが、あるんだぞ。たとえばある組織の構成員が我々に協力する場合、我々はその協力者を保護する。大抵の組織は裏切り者を始末しようとするからな」

「まっったまたぁっ、セリィは難しぃ~く言うねぃ。相手は少年なんだろぉ?」

「可能性の否定はできんのだ。まあたしかに……」

パラリ、と、携帯用のボードに挟んで持ってきていた資料をめくる。

「少年は十歳、ライスト人。黒い髪に黒い目と、なにやらいたって普通な子供のようだしな」