CE-LI-NE

将軍ほどの階級ともなればドーラの開発した最先端の乗り物――自動二輪を手に入れられる。

が、さすがのセリーヌもそこまでは手が及ばない。

この世界は、突き詰めれば金である。身も蓋もないが、それは事実。

生活するにも金、魔法を習得するにも金である。地位さえも、金で買えないことはない。

能力も地位も決して低くはないセリーヌは、しかし貴族とは違う。

ゆえに距離のある移動はもっぱら、小竜に騎乗してとなる。

人間の1・5倍ほどの大きさである小竜は、ファイアル人が捕らえ、フーガ人が調教している。

力はさしてないが、足の速さとそれなりの知能があるため、移動手段としてはもってこいだった。

無論のこと、『ガーディアン』の一員はみな、騎竜テストに合格している。

ちなみに。

「あ~あーあああああセセセセセセリィセリィセっっリィぃぃぃぃ――!!」

ルイスは騎竜が大の下手くそだった。