CE-LI-NE

「そぉのジンさん、まーだもっっとの世界に帰れないのかねぇ。っていうかさっ、本当に彼女、異ぃぃぃ――世界人?」

「自分が何人であるかの記憶もなく、降魔師に見せてもどの民族と判別することもできなかったからな。なによりあのタバコだ。似たような代物がアイスラにあるらしいが……あの形状ではないらしい。ジンの持っていたライターという代物も、ドーラ人さえ知らん」

「異世界人、かぁ……十五年前の、アキラの再来かな?」

と、言っているルイスの目には、真剣みがいつもより強かった。

この世には、まるで時期を図ったようになにかが起こる。

それは勇者の片鱗であったり、英雄の風聞であったり、様々。

十五年前――アキラという異世界の人間が現れた。

彼は、異世界人でありながら精霊を宿し、当時復活していた魔王を倒した、まだ記憶に新しい勇者である。

「ふ、ふふふ……」

と、セリーヌは笑いをこらえた。暗い暗い、溜め息を強引に笑いへ変換したもの。

「ルイス……ルイスルイス、一度目の魔王復活から二度目の魔王復活まで四百年あった。そして今は、まだ二度目の復活から十五年だぞ?」