CE-LI-NE

ルイスが見つめてくる。

その黒い瞳は、なぜ闇の精霊の力を宿室いないか不思議なほど、深遠である。

「でも、それは杞憂でしょ。明日、また明日、そのまた明日にそれが起きるかもしれない、なんて、心配し続けるだけで参っちゃうよ」

ジョセフィーヌの前足を捕まえ、あられもなく吊し上げて彼に、セリーヌは溜め息をプレゼントする。

「ルイス。記憶力には自信があるだろうルイス。聞け。以前に聞いたかもしれんが、今また聞け。私は、二つの理念を持って努力に準じているんだ」

「あ、そぉぉーれっ前に聞いたなぁ」

「そうか。だがまた聞け」

真剣である証明に、判も書類も置いて、デスクを立つ。

ルイスの後ろから近寄り、背もたれに指を置いて、ゆっくり、その首っ玉にしがみついた。

抱きついたのではなく、しがみついた、と自分では思いたい。

すぐ目の前の耳へ、それがちくわでないことを祈りながら言う。

「ルイス……私はな、ひとつは自分の誇りにかけて、努力しようと思ってる」

「うん」

と、おとなしい返事。

それは、なんだかんだでしっかりと聞いている証拠。