「次!」

と、セリーヌ大佐は右手を上げる。それを横へ振った。

「かかり稽古に移る! 各人パートナーを組み、打ち合い始め!! 」

「「はっ!」」

手際よくペアを見つけていく一同に、セリーヌはさらに一声。

「それから、『ガーディアン』に志願する者は私が相手をする、列に並べ!!」

「「はっ!!」」

セリーヌの華奢な手に抜かれる長剣は、真剣。

無論、兵士らが持っているサーベルも、本物。

が、彼女が、兵士らが、その太刀筋に力を抜くことは、ない。

列の一人目が、セリーヌの長剣とサーベルを一度、チン、と触れ合わせる。

「参ります、大佐!」

「よし来い!!」

刹那、兵士のサーベルが横一線、白銀を閃かせた。

が、それは空を掻くばかり。

一歩を引いてかわしたセリーヌは、素早く突進。勢いのまま、突きを繰り出す。

「っ!!」

息を詰まらせた兵士は、とっさに半歩後退。自身にできる反応の最速を引き出した。

振り抜いたままの剣を返し、サーベルのナックル部分で、突きを弾く。

が、セリーヌは太刀筋を弾かれたぐらいで、止まりはしない。

「反応が甘い!!」

「!?」

深い踏み込み。

振り出される左手が、兵士の胸をど突き飛ばした。